第48回 フランス語上達の秘訣 ~夏に抱かれて(De guerre lasse)~

第48回 フランス語上達の秘訣  ~夏に抱かれて (De guerre lasse) ~

  皆様こんにちは、本日もぱすてーるのブログを訪問いただき、ありがとうございます。

本日は、大好きな「映画ネタ」に絡めて、すごいウェブサイト(「居ながらシネマ」)を発見しましたので共有させていただきます!フランス語に惚れる材料が一つ増え、上達へのモチベーションがアップすること請け合いです。

1)夏に抱かれて (De guerre lasse):

  第二次世界大戦中、占領下のフランスを舞台にした『夏に抱かれて』という映画があります。有名なフランスの女流作家フランソワーズ・サガンの著作に基づく映画で、制作年は1987年、監督はロベール・アンリコ(第46回ブログで紹介した国立映画学校FEMISの前身IDHECの出身)、中心となる俳優は次の3名です。

・アリス(ヒロイン) Alice:ナタリー・バイNathalie Baye

・ジェローム(アリスのパートナー)Jérôme:ピエール・アルディティPierre Arditi

・シャルル・サンブラ(ジェロームの幼なじみ):Charles Sambrat:クリストフ・マラヴォワChristophe Malavoy

 対独レジスタンス活動の同志でもあるアリスとジェロームが、幼なじみのジェローム(製靴工場の経営者)を頼って彼の経営する工場を訪問するという設定で物語が展開します。

2)「居ながらシネマ」によるロケ地解説:

 この映画のことを調べていたところ、「居ながらシネマ」というサイトを発見しました。このサイトは、「もっぱら家に居ながら映画を楽しもう」というコンセプトで作られています。

 掲載されている映画は何と、780本!!! フランス映画に限らず、ありとあらゆるジャンル(SF・ファンタジー、アクション、コメディ、サスペンス、ドキュメンタリー、ドラマ、ホラー、ミステリー、ミュージカル、ラブストーリー)の映画を、テレビやビデオで鑑賞した際のメモだそうです。

 このサイトの中では、ストーリー解説や俳優の説明もあり、それは映画館で良く販売されているパンフレットと似ています。ところが、このサイトでは更に、Google EarthやGoogleマップ、Bing Mapsなどのオンラインマップサービスを利用した「ロケ地探訪」が楽しめます。圧倒されます。是非是非、ご覧になってください。

 しばしば、本作のような名画を見た後には、余韻に浸りつつ、「あの素敵なロケ地に行ってみたいなあ」と思うものです。でも、実際にそのロケ地について調べることはありませんでした。なお、映画のストーリー詳細は、「ネタバレ」になってしまいますので、本ブログでは割愛させていただきます。

3)『夏に抱かれて』の魅力 ~歴史と音楽とドラマ~:

 対独レジスタンスやナチスの問題を描いた名画は、フランス映画に限らず他にもあります(例:アンジェイワイダ『灰とダイヤモンド』、タビアーニ兄弟『サンロレンツオの夜』、ルイ・マル『さよなら子供たち』←私の好きなイレーヌ・ジャコブもピアノ教師として出演)。それぞれの映画に魅力的なストーリー展開があります。

 この『夏に抱かれて』も、占領下のフランスにおけるレジスタンスとう歴史を背景に、男女三人の愛憎が劇的に描かれているのですが、他には無い魅力として、効果的な音楽の起用があると思います。

 今でも頭の中に音楽が流れているのですが、特に印象に残るシーンが2つあります。一つは、ナチスの迫害から逃げるユダヤ人ファミリーを描くシーンで演奏される『月の光』(ドビュッシー)、アリスがレジスタンス仲間と連絡を取るためにパリに宿泊した翌朝にかかる『ホフマンの舟歌』(オッフェンバック)です。

 前者は、映画においても原曲同様に、ピアノ・ソロで演奏されていました。後者は、映画では吹奏楽形式で演奏されていました。(月の光の前半は、私もピアノで挑戦中です!)

 ホフマンの舟歌は、ウィキペディアによると、「ソプラノとメゾソプラノのデュエットであり、これまでに書かれた最も有名な舟歌」とされています。映画での吹奏楽も効果的でしたが、あらためて二重奏の演奏を聴くと、本当に、惚れ惚れとする名曲です。人間はこんなにも美しいメロディーを作曲できるものなのか、とあらてめて思います。

 以上の通り、この映画は、2時間足らずの映像の中で「歴史と音楽」が見事にマッチングされた名作ドラマです。是非いつか、映画の脚本をフランス語で入手したいと考えています。

 なお、原作に対するコメントがアマゾンに載っていましたので、最後に紹介させていただきます。J’ai eu envie de le lire après avoir vu le film à la TV. C’est bien sur un parfaitement écrit dans français impeccable ce qui est vraiment agréable. L’histoire est interessante … mais je n’ai jamais “accroché” avec un livre de Françoise Sagan…

「映画が非の打ち所の無い(impeccable)完成度だったので原作を読んでみたが、フランソワーズ・サガンの本には引き付けられるものではない」という辛口コメントでした。

 原作はさておき、どれだけ映画が素晴らしいかが伝わるコメントと思います。是非、ご覧になってみてください。

 本日もお読みいただき、ありがとうございました。

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