第11回 フランス語の実用性(1)
皆様こんにちは、ぱすてーるです。
(ブログの目的・再確認)
第1回から第10回までは、フランスの有名な詩を紹介して参りました。皆様の中には、「あれ、このブログは、フランス詩の紹介ブログだったのだろうか?」と思われた方もいらっしゃるかと思います。はい、それは正解でもありますし、また少し違うとも言えます。第1回ブログに記載させていただきましたが、本ブログでは、
1)フランス語の文法「全て」を学ばなければならない、という強迫観念から解放されて、「美しい宝の山の頂上から世界を見下ろす」イメージを楽しんでいただくこと。
2)フランス語が織り成す美しい景色を楽しみつつ、「生きる知恵の宝の山」を登ること。
以上2点の一つの例示・題材として、第10回まではフランス詩を紹介させていただきました。それらの詩歌を足掛かりに、皆様のフランス語上達へのお手伝いをできればと考えています。上記2点を自然に体感いただけるようになる頃には、フランス語の魅力の虜になっているものと思います。そうすれば、比較的単調な文法学習の壁も乗り越えられるため、上達スピードは大幅に上昇するものと確信しています。
まどろっこしい言い方はやめにして、一言で申し上げれば「惚れたら上達する」ということです。「急がば回れ」です。「惚れる」ための材料として、過去ブログではフランス詩を紹介させていただきました。今後もフランス詩や文学に限らず、映画や時事問題等も含めた様々な「楽しめる」材料をご提供できればと思います。
(フランス語の実用性)
さて、そもそもの話となってしまいますが、或る言語が「役に立つ」と表現される場合、何をもってそう言うことができるのでしょうか。時代によって、また、人によって、答えは異なると思います。例えば、「時代」で申し上げれば、大航海時代(15-17世紀)以前の中南米では、今ほどスペイン語やポルトガル語が話されていたでしょうか。そんなに昔の話ではなく、つい最近(20年前くらい)までは、中国語が今ほど多くの人に学ばれていたでしょうか。言語が「役に立つ」と言う場合、スペイン、ポルトガルによる植民地化、中国の経済発展という「時代」の影響を無視することはできないと思います。勿論、「時代」を語る場合は、昔の話よりは「最新の」時代状況を考慮しなければ意味が無いとの考え方もあると思います。
次に、「人によって」役に立つ言語の考え方が異なることにつきましては、申し上げるまでもないと思います。経済活動(国際コミュニケーション)、文化・芸術活動、学術研究など、人がどの領域を重視するかによって、「役に立つ」という意味は異なると思います。
以上のように、一口に「役に立つ言語」と言いいましても、過去は忘れて現在の状況だけを問題にする場合でありましても、「人によって」その意味が異なってくるのは自然だと思います。人によって異なる比較基準ではなく、もう少し客観的な比較基準を挙げるとすれば、月並みですがそれは「話者人口」や「公用語」人口になると思います。
①実際に話されている ②実際に公文書や私文書で使われている、という比較基準に照らしますと、やはりフランス語の実用性は際立っています。私自身の職業経験に照らしましても、「実際に話され、公文書として使われている」というフランス語の実用性のおかげで、約10年間、濃厚でエキサイティングな社会人経験を積むことができました。また、社会人大学院入試でも大いに活用させていただきました。入学試験の外国語科目の一つであるということは、明治時代以降の日本の近代化の歩みと共に続く、知的財産とも言うべきフランス語の学術面での実用性(具体的には、民法や製糸技術をはじめとした学術・技術面での日本の啓蒙)の表れであると実感しています。文字通り、「文字情報として」だけでなく、実際の経験・活用から体感しています。
少し脱線してしまいました。話者人口の話に戻しますと、フランス語は国連の公用語ですし、欧州・北米・アフリカでの話者人口(ウィキペディアでは、2016年現在でフランス語を公用語とする国は29カ国、人数は2億6千万人)は日本の人口の倍に上ります。ただし、この話者人口につきましては、調査機関によって数値は異なる模様です。また、「母語と母国語」の違いもありますので、これらの点につきましては、次回のブログでもう少し詳細に、丁寧に紹介させていただこうと思います。フランス語に「すがり」「惚れ」「上達」してきた者として、フランス語を不当に贔屓するのは慎もうと思う次第です。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。