第14回 新聞記事でフランス語上達 / ル・モンド記事
皆様こんにちは、ぱすてーるです。本日も当ブログをお読みいただき、ありがとうございます。
1)ル・モンド記事:
今回は、昨日2021/1/16のフランスでのデモに関する新聞Le Mondeの記事をご紹介します。念のため申し上げますと、たまたま最新のニュースを目にしたためご紹介するだけですので、特定の政治的な主張をする意図は全くありません。(本ブログの目的は、政治的な主張ではなく、フランス語上達のために楽しみつつ「生きる知恵の宝の山を登ること」です。)
さて、今回ご紹介する記事は、ネットでどなたでも閲覧できる内容です。記事には2021/1/16のパリ・バスティーユ広場に集合したデモ隊の写真が掲載されていました。以下、要約です。
①警察の写真の拡散制限を主な目的とする<>法の成立に反対する人々が、1/16(土)にパリやフランス各都市でデモを実施。デモ隊の主張は「知る権利のため、警察による暴力に反対するため、デモの自由のため、一斉監視に反対するため」。
②デモ参加者数は警察側の発表で34千人、デモ主催者側の発表で200千人。内務大臣の発表では、フランス全土で75人が職務質問された(うち24名がパリ、7名がRhône県の都市Lyon、3名がLoire-Atlantique県の都市Nantes)。
③内務大臣はまた、警察官と憲兵の12名が負傷したことも発表。パリ検事局は、1/16夕方、職務質問後に15名が拘留されたことを発表。
以上が概要です。
2)主な文法解説:
Le Mondeとお聞きして少し気後れしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。以下では、文法や熟語の面で少し難しいと思われる点をピックアップし、解説させていただきます。
◎Les cortèges(行列), auxquels se sont joints des manifestants注1 pour « le droit à la culture », ont réuni 34 000 manifestants selon la police, 200 000 selon les organisateurs.
注1)auxquels se sont joints des manifestants: se sont jointsは、joindre「結びつける」の代名動詞「se joindre à~」の複合過去形で、「à~に集まった」の意味。直訳すると、「デモ隊(manifestants)が自分自身(se)をà~に結び付けた」つまり「デモ隊がà~に集まった」。à~の~に当たるのがcortèges(行列)です。この単語は男性名詞・複数形ですので、直前のàが変化してauxとなっています。これに関係代名詞quelが付属してquels(英語のto which)となっています。前置詞も関係代名詞もともに、対応する名詞(ここではcortèges:男性名詞・複数形)に対応して変化していますので、これは英語とは違って少し複雑ですね。でも、慣れてくれば「そんなものなのだなー」となり、「英語よりも厳密で、修飾する名詞がどれなのかが明確になり正確に解釈できる」という風に感じられるようになります。
◎Le ministre de l’intérieur, Gérald Darmanin, a fait par ailleurs état de注2 soixante-quinze interpellations, dont注3 vingt-quatre à Paris.La préfecture du Rhône en a annoncé sept注4 à Lyon, et celle注5 de Loire-Atlantique trois注6 à Nantes.
注2)faire état de ~:~を報告する 注3)dont ~:~のうちの 注4)en a annoncé sept:interpellation(職務質問)の対象者数を表す。「あたなには兄弟が何人いますか?Combien de frère avez-vous?」との質問に対して「2人です。J’en ai deux」と答える時のenの使い方と同じです。注5)celle:女性名詞のpréfecture(県)を受けています。注6)trois:La préfecture de Loire-Atlantique en annoncé troisのen a annoncéが省略されています。
3)詩歌のフランス語との違い:
以上、フランスを代表する新聞のフランス語原文を紹介しました。
いわずもがな、の話になりますが、新聞などの「ジャーナリズム」の文章は、「事実を客観的に伝える」ためのものです。ですから、今まで紹介してきた詩のフランス語とは違って、「比喩」のようなレトリックは少ないですね。
その一方で、「倒置」や「省略」(同じ表現の回避)がある場合など、「主語と述語を的確に把握する」という基本的な「解釈法」は、詩歌とも共通します。この点は、更に言えば、英語も含めた外国語の「基本的な読み方」とも言えます。
Le Mondeの文章は、カチッとしていてカッコイイのですが、時々難しい単語や文法が出てきます。その度に、何度も辞書を引くので、最初はちょっと面倒かもしれません。
でも、上記の通り一つ一つ粘り強く紐解いていくと、多少意味が分からない、または理解があいまいな単語や熟語が出てきても、おおよその内容を理解できるようになります。
以上、ご参考としていただければ幸いです。次回以降も楽しい「実例」を紹介しますので、楽しみにしておいてください。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。