第16回 ラ・ロシュフコー
皆様こんにちは、本日もお読みいただき、ありがとうございます。
本日は第9回のブログに続き、ラ・ロシュフコーの箴言集から一つ、名言をご紹介したいと思います。どのような年齢の方であっても、「努力を開始するのに遅いことはない」ということを再認識させてくれる、力強い言葉です。かく言う、私自身が最も励まされています。原文を引用後、翻訳と文法解説を付させていただきます。
<引用はじめ>
◎Nous arrivons注1 tout注2 nouveaux aux注1 divers âges de la vie, et nous y注3 manquons注4 souvent d’注4 expérience malgré注5 le nombre des années.
我々はどんなに多くの年を重ねても、「全くの初心者として」その時々の各年齢(直訳:人生の様々な年齢)に達するのである。そして、達した年齢が何歳であろうとも、それまでに経験した年数にかかわらず、達した年齢の時点では「経験不足」なのである。
注1)aux:arrivons(arriver) àの「à」(~へ)が指し示す単語âgesが複数形であるため、auxに変化している。注2)tout:全く (直後のnouveaux「新しい」を修飾)注3)y: aux âges「その年において」を指す。注4)manquons:manquer de~(~に欠ける、~を欠く)注5)malgré~:~にもかかわらず
<引用おわり>
原文は簡潔で素晴らしいのですが、単語の意味を分かり易くお伝えするために、少々回りくどい訳を付させていただきました。
正に、「今日が人生で一番若い日」(Youtuber「両学長」さん)という考え方ですね。「もう年だ」などとは言うものか、という決意を与えてもらえる言葉だと思います。どうして多くの人は、「もう年だ」などと口にするのでしょうか。加齢による(生物としての)記憶力や理解力の低下の影響は確かにあるのでしょう。また、過去の経験の蓄積が、返って新しいものを学ぶ妨げになることもあるのだと思います。ラ・ロシュフコーの上記の言葉は、そのような記憶力や理解力の低下、そしての何よりも意志力の低下に対して、「私は負けない」と宣言しているように聞こえます。どのような時代であっても、時代は流れて(技術は進んで)います。ましてやそのスピードがラ・ロシュフコーの時代とは比較にならない現代にいる訳ですから、その流れに付いていこうとするマインドは、常に何歳になっても維持しておきたいものです。その際に、上記の言葉は、強い励ましを与えてくれるものだと思います。
皆様は、どのようなことをきっかけに、努力を継続するモチベーションを維持されていますでしょうか?努力はどのような分野・領域におけるものであっても良いと思います。私の場合は、このような文章であったり、日々、勉強に励んでいる子供や妻の姿を見ることがきっかけになり、自分も頑張らなければと奮起しています。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。