第102回 “辞書いらず”フランス語 /「テーマ別」ラ・ロシュフコー箴言集 「その他の箴言」(2)
皆様こんにちは、本日も当ブログにお立ち寄りいただき、ありがとうございます。
今回は「テーマ別」箴言シリーズ「その他」の続きをご紹介します。箴言番号は208、211、212です。
<引用はじめ>
(208)Il y a des gens niais qui se connaissent, et qui emploient habilement leur niaiserie.
◎間抜けな人々の中には、自分が間抜けであることを分かっており、その愚かさを巧みに用いる人々がいる。
(訳注)
・niais: おろかな、間抜けな、おめでたい
・se connaissent:①自分を知る ②互いに知り合う
・emploient :employer用いる
・habilement :巧みに、上手に
・niaiserie:愚かさ、おめでたさ、(複数形で)愚行、ばかげた言葉
➡se connaissentを上記②の「互いに知り合う」と解釈すると、意味が分からなくなってしまいますね。se connaissentで文章が終わるのであれば、「類は友を呼ぶ」というような意味に理解することもできると思いますが、そうするとet qui emploient…以下の意味が分からなくなってしまいます。よって、ここでは上記①の「自分を知る」と解釈するのが妥当だと思います。
(211)Il y a des gens qui ressemblent aux vaudevilles, qu’on ne chante qu’un certain temps.
◎まるで軽喜劇のような人々がいる。一時的にしか歌われないような。
(訳注)
・ressemblent aux :ressembler à~「~に似ている」
・vaudeville(s):ボードヴィル、軽喜劇
➡ 人はすぐに忘れられてしまうということですね。そういえば日本にも、「人のうわさも七十五日」という表現がありました。
(212)La plupart des gens ne jugent des hommes que par la vogue qu’ils ont, ou par leur fortune.
◎大多数の人々は、人を「人気」または「財産」でしか判断しない。
(訳注)
・vogue :流行、人気
・fortune:財産、富、資産、大金
➡程度の差こそあれ、このことは、いつの時代も変わらないのかもしれませんね。