第41回 小学生~大学生のフランス語 / 早期学習のきっかけ

第41回 小学生~大学生のフランス語 / 早期学習のきっかけ

 皆様こんにちは、ぱすてーるです。本日もお立ち寄りいただき、ありがとうございます。

本日は、私たちが小さなころから社会人になるまでの間に、どのようにしてフランス語に接するかを振り返りたいと思います。その上で、どうしたら日本においてもう少し早い段階でフランス語に接し、楽しく学習を進めていけるかについて、考えてみたいと思います。

 結論を先取りします。フランスやフランス語に接する機会を、フランス革命や明治維新(お雇いフランス人技師・学者)などの「歴史」の勉強に限定することなく、国語や道徳の授業などの場でにおいても取り扱ってみてはどうか、ということを述べたいと思います。

1)小・中学生:

 アンスティチュ・フランセ東京(旧・東京日仏学院)のような、フランス政府の公式機関が開講するスクールは別として、「日本の」小学校でのフランス語教育はどのくらい浸透しているのでしょうか。

 ミッション系の大学や教育機関では、「小学生フランス語教室」のような形で、学びの機会を探すことができます。実際に、「白百合女子大学」や「カリタス小学校」が実施しています(ネットですぐに調べられます)。暁星小学校なども有名ですね。

 一方で、他の大多数の公立小学校に関しては、義務教育期間にフランス語を積極的に教える機会と根拠を見つけるのは、なかなか難しいのではと思います。「なぜ、英語ではなくて、ドイツ語でもなくて、フランス語なのか」、という問いに容易に答えるのは難しいと思います。
 
 次に中学生になるとどうでしょうか。大多数の中学校も、小学校と同様に義務教育ですから、事情は上記の小学生と余り変わらないのでは、と推測します。私立の中学校では「聖ドメニコ学園中学高等学校」も仏語教育が熱心である模様です。

2)高校生・大学生:

 高等学校になりますと、授業で積極的にフランス語教育を実施する高校が増える模様です。大学生になると、専門の学部もありますので、学習者層は一気に広がります。詳しくは、「日本フランス語フランス文学会」と「日本フランス語教育学会」とが共同で実施した、フランス語教育実情調査に関するアンケート調査に関する報告書(2012年)をご参照いただければと思います。
 
 そうではありましても、大多数の高校生や大学生にとっては、「フランス」を知るのは世界史(ナポレオン)や日本史(明治維新後のお雇い外国人)を通じてだと思います。ましてや「フランス語」を授業で学ぶ機会は非常に限られるのではと思います。
 
 しかも、高校生ともなると、受験に備える必要が出てきますから、落ち着いてフランス語に取り組むのには限界があると思います(受験の外国語科目にフランス語を選択する人は別として)。

3)提案:

 そこで提案です。私が高校時代に国語の授業でパスカルを知った様に、フランスやフランス語に接する機会を、フランス革命や明治維新(お雇いフランス人技師・学者)などの「歴史」の勉強に限定することなく、国語や道徳の授業などの場でにおいても積極的に取り扱ってみてはどうか、という提案です。国語の授業ではなくとも、「道徳」の授業があれば、その場で紹介していただくのもアリなのでは、と思います。なぜでしょうか。

 それは、フランスにはモンテーニュ、パスカル、ラ・ロシュフコーなどの「モラリスト文学」の伝統があるからです。生と死や、人が世の中で生きることの意味や難しさ、処世術に関するアドバイスなど、正しく「道徳」の授業のテーマにふさわしい題材の宝庫です。「哲学」のテーマとも重なる部分も多いと思いますが、さすがに小学生に「哲学」というのはやや時期尚早と思います。

 道徳の授業で紹介するのであれば、中学生からでもOKだと思います。「道徳」の授業を、何も孔子の論語や日本古来の伝統のみに限定する必要は無いと思います。それにより、中学生の頃から教養レベルを世界レベルに引き上げるきっかけにもなると思います。(もちろん、まずは「日本の」伝統的価値をしっかり教育することの必要性を否定するものではありません。)
 
 とはいえ、文部科学省の認可を待っていては、いつになったら上記のような「早期教育」が可能になるか分かりませんから、まずは身近で、できるところから始めていく他ないのかもしれません。江戸時代の「寺子屋」や明治維新前後の「私塾」のような形で。

 本日もお読みいただき、ありがとうございました。

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